2021年7月12日月曜日

同軸ケーブルLMR-600 60mの伝送損失・・

 昨日の測定は、ケーブル設置のための長さ確認のためのでしたが、実際の伝送損失も測定すればよかったなとあとで反省。

資料から50㎒の損失は60mあたり、1.0db前後と判明。1.0dbというと・・あんまり気にしなくてもいいのだろうけれど・・%での損失は20%と高い。1kW入れても800wしかケーブルの給電端には届かないことになる。つまり200Wの電力はケーブルを温めることになってしまう。2重シールドケーブルなので電波が同軸から放射されるロスは少ないと考慮する。

損失が気になってひとサイズうえのLMR-900(外径22㎜)というケーブルでは・・60m長の損失は0.8dbになりわずか0.2db改善されるのみだ。一つ小さい10D相当のLMR-400(外径10.3㎜)では・・損失は1.8db(34%減)ほどとなってしまう。

ここで長いブーム長のInnovaAntenas の6m YAGIの利得とブーム長の例をみると、

 6エレ    ブーム長 6.7 m   利得 12.49 dbi 

 7エレ ブーム長 9.4 m         利得 13.37 dbi (+2.7mで +0.88db)

 8エレ ブーム長 12.5 m          利得 14.05 dbi    (+3.1mで +0.68db)

このように1dbの利得を得るのに長竿の八木になってしまうことを考えると・・同軸の1dbの損失も見逃せなくなってしまう。1dbの損失はブーム長にしてほぼ半波長(3m)と匹敵するほどである。

損失を減らすには太めの同軸を使用し、同軸長を短くするのが1番の方法だろうが・・アンテナの高さも欲しいところで、無線室をタワー直下近くに設置するとかの方法もあるが、なかなかそうもいかない。私のところは残念ながら無線室は家の中でも一番タワーから離れたところにある。20mのアンテナ高としても・・タワーの根元から2~30m余分の同軸を引くことになってしまう。

同軸ケーブルの通過損失の測定はNanoVNAのPORT1,PORT2の端子に実際測定する同軸に接続する変換コネクター並びにケーブルを接続してSWEEP 範囲を1~101㎒ 1㎒刻みの設定でCalibration /校正を取る。 


測定結果は @1㎒ -0.22db #1@30㎒ -0.96db、#2@50㎒ -1.20db #3@100㎒ -1.62db
残念ながら資料から予想した-1.0dbからさらに0.2dbほどの余分な損失があるのが判明。




HP社の12.4GHZ まで使用できる校正されたN-TYPEの10dbのAttenuatorの特性をNANO-VNAで測定結果を示した。@1㎒ -9.947db、@30㎒ -9.949db @50㎒ -9.948db,@100MHz 9.941dbという測定結果だった。測定の周波数範囲では~0.05db程度の誤差の範囲の測定結果であることが確認できる。

下の写真は10db-Attenuator 測定時の様子です。











4 件のコメント:

玄3 さんのコメント...

Tomさん、こんにちわ。
 nanoVNAはキャリブレーションはどうなるのでしょうか。別途キットか何か用意されたのでしょうか。キャリブレーション道具の方が高価になりそうで心配です。

Tom 島田 勉 さんのコメント...

玄さんこんにちは。
ご無沙汰しています。

NanoVNAはスペアナと下は動作しなのいので測定は絶対値ではなくって比較値です。ですから、キャリブレはそれ自身含まれていて、#1ーOpen,#2ーShort,#3ー50オームの終端の3点校正です。これだけでキャリブレ全部済んでしまいます。校正キット込みで$40未満でした(笑)。でも、HPのAttenuatorなどで確認するとなかなかの値を出してくれます。

もしお買い求めになるんでしたら、ちょっと高めになりますがN型コネクターの機種が良いと思います。

ここで使ったHPの10DBのAttenuator,多分これ1個でもNano-VNAの値段の数倍はするのではないでしょうか(笑)。

玄3 さんのコメント...

>ここで使ったHPの10DBのAttenuator,多分これ1個でもNano-VNAの値段の数倍はするのではないでしょうか(笑)。
2GぐらいならnanoVNAと似たような値段みたいです。Agilent系は高いですね。
ありがとうございました。

Tom 島田 勉 さんのコメント...

気になってまったく同じ型番の物をKeysite(Former ...HP)サイトで見てみました。

8491A Coaxial Fixed Attenuator, DC to 12.4 GHz
なんと$299Each でした。
https://www.keysight.com/us/en/product/8491A/8491a-coaxial-fixed-attenuator-dc-12-4-ghz.html

こんなものだろうと思っていましたが・・ぼろもうけみたいな。それでも個体のサイドには個別に測定した周波数特性が張られています。
実際には1GHz以下だったらBNCタイプの物でも問題なかったのですが・・測定ケーブルの両端がN-Typeだったものでこれを使用したまでです。結構こんなものフリーマーケットに行くと安く($5~20)手に入ります。家ではこんな時にしか使わないですが1セット(3,6,10,20db)あると便利です。

おっしゃるように2~3GHz 用でしたら新品でも$2~30くらいで手に入るようです。