2023年1月29日日曜日

IC-PW1 修理・動作試験完了。

 バンド・パス(Low Pass Filter)の切り替えリレードライバーのIC交換で動作が確認できました。

去年の10月くらいに・・経年劣化?によると思われるリレーコイルと並列に接続されているRFパスコンが豪快に煙を上げ破壊、さらにそばのリレーが1個とダイオードも破損。リレーとダイオードは互換品が手元にあったので交換してフィルター基盤の修理と、基盤単体での動作は確認しておりましたが11月末の日本への帰国と重なりしばらく修理机の上に置いていました。クリスマス・正月と子供たちがみんな帰ってきていたので正月明けまで修理を保留していました。下の写真の上部右側、灰色の同軸コネクター右側のコンデンサーが見事に蒸発しています。左上の白いリレーは問題なし、清掃だけで大丈夫でしたが、右上から左下に黒く大きくボケているのがバンド・パスフィルター切り替え用のリレー。こちらはコイルが断線、ダイオードが何と短絡状態でした。


正月明けにバンド・パスフィルターを組み込んで動作テストしたら、修理したはずのフィルター・ボードからバンド切り替えによるリレーの動作音がありません。良く測定すると、フィルター・ボードへのリレーコントロール信号線に電圧が見えません。回路図を見るとリレー・ドライバーIC(8チャンネル)があり、そこに目を向け・・・ICからの出力電圧を測定するとどのチャンネルも電圧が出ていません。もしかしてさらに上流となると・・足が四方に沢山あるICとなるので、さすがに私の技量ではそこまでの修理できません。祈りながらドライバーの入力側を測定すると・・こちらは、バンドを変えるごとにしっかり制御信号が確認されました(ホッ)。

というわけで・・RF信号の制御線への侵入でDriver ICが破損したと結論付け、早速ICの手配を始めたのですが・・いつものように米国では見つけられません!前回のMRF150 の時のようにE-Bayで調べると深圳に沢山ある模様。そうそく注文、値段は5個で$7くらいで送料を入れても$9前後と格安。ただ・・オーダーしたことのある人はわかると思うが、手に入れるのに時間が掛かる。最初の予定では・・2月中旬以降とのことだったが、なんと・・今日1月28日土曜日に普通郵便で配達されメール・ボックスに入っていた。


遅い午後、今日のうちに修理できればとIC-PW1のケースを開け、うまい具合部品の部分がボードをはずさなくても見え、どうにかそのままで行けそう。

部品を基板から取り外そうと・・足をカッターで切っていたら・・・まずいことに、Pin1 とPin2が接続され基板上の細線が基板から外れ断線。困った困った…どう修理しようか悩んだ挙句、ICそばの1㎜にも満たないようなプリントされた箇所に細めのより線の1本だけをどうにかはんだつけして、それをICのピンに直付けという芸当をやってのけました。当然、爺の目はただでさえ見えないですから、高倍率のルーペ越しの作業でした。

今考えてみると、こんな無謀なことが良くできたものだと驚いています。かろうじてついてるようですが、左側の下の方からリレー・ドライブ用の電圧が出てるのを確認。今度は、バンドを変えるごとに・・リレーの動作音が聞こえます(ホッ)。

此処で、IC-PW1のケースをすべて閉じ、動作テストです。FTDX-101MPと接続してIC-PW1のスイッチをOn。バンドを手動で帰ると制御パネル上でバンドが変わっているのが確認できた。Yaesu-Icomですから、バンドのつなぎが良くありません!

IC-PW1のバンド・スイッチをAUTOにして、FTDX101の出力をさいていの5W に設定してすべてのバンドで試験。バンドは自動交換している。

次はIC-PW1の増幅動作テスト。まずは・・無信号入力時に異常な電流が流れていないことを確認し、まずは入力5Wで試験。出力は・・100W確認できます。やったぁ・・・。すべてのバンドで動作確認。その後次第に入力を増やし・・~13W入力で連続出力500Wを確認できました。FT8での運用はこの辺で止めておくことが多いです。

無事修理・動作確認終了です。今のところは問題なし!!!試しに30mと40mFT8で数局とQSO問題なく動作していることを再確認。

今更ながら半導体アンプの静けさと、迅速な起動には頭が上がりません。40+年選手の球アンプはメインテナンスや修理は簡単ですが、球が温まるまでの待機(180秒)それにバンドごとの調整が必要なことと比べるとIC-PW1の使用感は雲泥の差です。

これで、3Y0Jにはぎりぎり間に合いそうです!!!!無事の到着と安全な荷下ろしそれに設営できることを祈るばかりです。


2 件のコメント:

JA1KIH Taka さんのコメント...

やりましたね!! 無事動作したときの感激は忘れないと思います。 10mで開いているとき四方山話をお願いします。 

Tom 島田 勉 さんのコメント...

Taka OM、コメントをありがとうございます。

わたしは・・・自分の技術的にここまでできるとは思っては見なかったのですが、以前お話しさせていただいたときに『ドライバーのICを変えた人もいる。』と聞いていたので・・・ダメもとで挑戦してみました。

これまでSurface MountのDevaiceの経験がなかったのでYoutubeで数本参考になる映像をみてTRYしたところまでは良かったのですが、足を強く切りすぎて・・・基板上の細線を切って浮かせてしまうという予想もないことが起こってしまって、しばらく呆然としながら、どのように対策したらいいかと自分なりにできることを考えてみました。高倍率のルーペで注意深く観察しながら基板上の細線の被覆をはがしとり、それに・・網線の細い1本を使い被覆を取った線上にハンダつけ、反対側をICの足に直接ハンダつけをするという曲芸でした。
ハンダを付けすぎると・・・足と足がつながってしまったりと苦労しながらの挑戦でした。ハンダつけが終わり・・・ICの出力を8チャンネル全部確認、さらに接続されているリボンケーブ側でも信号が確認実際にバンドスイッチを切り替えながらリレーの動作音を最終的に確認した後、無線機に接続して動作確認。

この時点では・・50%はMRF150が飛んでいるのではと覚悟していたのですが、IC-PW1の保護回路がうまく動作してくれていたようで・・・すべて保護され、順調に動作してくれた時には感激物でした。

前回と言いさらに今回までTaka-OMにはいろんな助言をいただき一番にご報告すべきところ失礼してしまいました。無事修理でき本当に大喜びです。

実際今年1月になってから球式アンプもおかしくなってきたので、適当に良い古いですが、Alphaの9500あたりを物色していました。3Cx1500 だと手元に箱入り新品が数本ありますから、どうにかなるかと。ただ、Alphaの9500だと集団の調整がCPUで制御されているので本当に自分で修理できるかという危惧はありました。

とはいえ、しっかり動作してくれるのを見てるとFETアンプは良いですね。FET アンプで問題だった項目もIC-PW2のようにPredistrotion Compensationがあれば近接IMD統制も素晴らしいようですから、気にしないで実使用になりそうですね。興味はありますが・・販売はどうなるんでしょうか?全然新しい情報が入ってきません。まずは壊れにくい装置・・そういう点では日本の機器は信頼性高いです。

また10mでお話しできるのを楽しみにしています。