2020年12月27日日曜日

スミス・チャートから整合回路の設計。

 


先日NANO-VNAで測定した結果をスミスチャートとSWRの両方で表示しました。スミスチャートはあまりなじみが少ないかもしれませんが、その一つの応用にアンテナ整合回路の設計があります。私はこれまでほとんどスミス・チャートを実際に使ったことはありませんでしたが、ここ1年あまりNANO-VNA使うようになって趣味のアマチュア無線専用に少しづつ使うようになってきました。

円の中心右側濃紺の点がNANO-VNAで今回測定した(f=7.050㎒)での ANTENA給電部でのインピーダンス(63.5-0.2J) です。実用には全然問題ない状態ですが、これをさらに整合させるには給電点でアンテナと並列にコンデンサーサーへ入れ(180PF)、スミスチャート上では濃紺の点から緑の線に沿って複素インピーダンス50オームサークルまで下げ、その次にピンクの線に沿って直列に接続したインダクタンスを調整し(560nH) ・・スミスチャートの中心(水色点Z=50 +j0Ω)までもっていく。そうすれば計算では・・SWRを1.02まで下げることができます。



実際には上のような等価回路になります。左の水色Gが送信機側右端の濃紺がアンテナL1,C1が整合回路で、それぞれの色もスミスチャート上の色に対応しています。

これは唯一の整合回路ではありません。回路のLとCを入れ替えた回路でも整合できます(それぞれL,C違った値)。そうすると・・経路的には濃紺点から一度上へ上がり(並列L)・・50Ωのサークルに触れ、それから直列のCで円の中心点(水色)まで下がることもできます。ただ、回路の通過特性からローパス・フィルター型の最初にあげた回路の方が実際使用の時にオマケの効果が得られます(笑)。

今回はアンテナ自信を調整することだけでSWRを1.3前後まで落とせていたので実用上はさらなる整合回路は無用だと考えます。

NANO-VNAが手軽に入手できるようになった昨今、この年末年始の休暇で時間がある方にはスミス・チャートの読み取り方、有効的な使い方について研究するのに良い時間ではないでしょうか?スミス・チャートの使い方にはYOUTUBE等でずいぶん分かりやすく解説してありますからぜひ検索してみてください。

ここで使ったソフトは

http://www.ae6ty.com/Smith_Charts.html

でDownLoadすることができます。

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